2006年6月23日金曜日

「負け犬」をなじる人々へ

ワールドカップに出場していた日本代表は、今日ブラジルに大敗を喫し、1次リーグ敗退が決定した。

サッカー協会の姿勢、監督への評価、選手起用など、この4年間いろいろ不満はあったが、アジアカップ優勝、そしてアジア予選突破といった結果を出し続け、ドイツへの切符を獲得したことは素直に評価した。そしてこの3試合、苦しんで苦しんで苦しみぬいて、最後に引導を渡されたことは、ある意味実力どおりの結果であり、今までの膿が一気に出尽くしたという事も言える。タイトロープのように危ない橋を渡ってきた我らが代表は、最後の最後で足を滑らせ、奈落へ堕ちた。

もちろん、結果は残念だ。
ただ、今は厳しい3試合を戦った、ジーコ監督や選手一同への労いの気持ちしか出てこない。どうせ今頃は、日本中で、またネット上でも、日本代表への不甲斐ない戦いぶりを「手厳しく批判」する人がごまんといるはずだ。煽るだけ煽ったメディアも、手のひら返したように「戦犯」探しを始めるはずである。

アホか。

選手たちは、実際にリングに上がった。そして敗れた。
彼らは巨額の報酬を得ているプロであり、勝てば名誉も栄光も手に入る。その代わり、負ければくそみそに叩かれる。それも確かに、彼らの人生の一部であろう。だから批判も仕方が無いかもしれない。

でも、これだけはいえる。
ノックアウトを食らった選手を「バカ野郎、なぜ負けた」と野次るヤツよりも、実際にリングに上がって戦ったヤツは100倍立派だ。彼らは実際に勝負に挑んだ。絶体絶命の仲で、逃げ出したくなるような状況の中でもリングに上がり、世界王者と戦い、そしてサンドバッグのようになって敗れた。それでも彼らは戦ったのだ。戦わずに野次っているだけの、「勝ちも負けも無い生き方」を送る人間達と、本当に価値がある生き方をしているのは、一体どちらのほうだ。

ボロクソに言うのも良い。敗因も細かく分析するのも結構だろう。だが、その前に何か、言うことがあるんじゃないだろうか。
2006年06月23日10:44
 
mixi
 
 

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