2011年7月14日木曜日

悔しかったら勝ってみろ

世界王者ドイツを完全アウェーの敵地で撃破し、そしてスウェーデン相手の準決勝でも3対1と文字通り圧倒。
ついに、遂に世界大会でのメダルを確定させた、サッカーの日本女子代表「なでしこジャパン」。
女子W杯の決勝戦、いまだ白星を挙げたことの無い世界ランク1位の米国と、初の女王の座を賭けて対戦することになりました。

優れた選手を多く揃えている「なでしこ」ではありますが、攻撃においても守備においても、献身的なプレーでチームを守り立てているキャプテン・沢穂希のプレーには、フットボールにさほど関心の無い方でも目を見張っているのでは無いでしょうか。
これぞチームリーダー、これぞ精神的支柱。

長年にわたって「なでしこ」の中心として活躍してきた沢ですが、その原動力は「日本の女子サッカーを、なんとかメジャースポーツにしたい」という思いに尽きると思います。

男子サッカーと違い、プレー環境の面でも厳しい状況が続く女子サッカー、
今回のワールドカップにしても、必ずしも注目度が高いというわけではありませんでした。
強豪相手に勝つことで、その注目度を自力でアップさせてきたわけです。最初から恵まれていたワケではありませんよ。
それが証拠に、フジテレビが地上波での生中継を開始したのはこのスウェーデン戦からでしょ。
げんきんなものですけど、一般社会とはそういうものだと思います。
口惜しかったから勝ってみろ、メジャー競技になりたかったら、もっと国際舞台で結果を残してみろ。
そしたら、世の中の関心を自分達へ向けることが出来る。
それを強く願い、そして結果を出した「なでしこ」。
脱帽です。

「決めてくれると思っていた」恩師やサポーター、逆転劇に歓喜

http://s.nikkei.com/nXEG7H


ひるがえって、我がカーワン・ジャパンはどうだろう。
いや、日本ラグビー界全体の問題かもしれない。
本当にメジャースポーツになりたい、と思っているのか。強く願っているのか。
私は、どうもその辺に不信感を持ってしまうんですよね。
まぁ、関係者と言うか、現場レベルでは一生懸命やっていらっしゃると思いますが、ラグビー協会はどうなんだろうか。

2年ほど前だったかな、別の競技をプレーしていた、知人がトップリーグを初めて観戦したらしいです。
スーパー14をスカパーで観戦して、その激しさに惹かれてラグビーに興味を持った。それで、TLを一度生で見てみたいという気になったらしいです。
なんか、その動機付け自体がすでに不安を抱かせるものでしたけどw

彼にさっそくTLの感想を聞いてみると、試合の内容自体はやっぱり面白かった、と。
しかし、もっと強く感じたのは

「ラグビーって、ほんとにマイナースポーツですねぇ」。

彼のプレーしていた競技も、日本では典型的なマイナースポーツの一つ。
その彼が言うのですから、いまのラグビーの凋落振りは、まさに筋金入りなのかもしれません。

でも、どうしてそう思ったか理由を訊いてみると

「人気の無い競技に携わっている人は、なんとかこのスポーツをメジャーにしたい、人気が出て欲しいと強く願っている。でもトップリーグでは、その雰囲気を感じることが出来なかった。ラグビーはこれでエエねん、別に今のままでもエエねん、というムードを、主催者からも観客からも感じた」

って言ってましたね。

実は、私も帰国後に同じことを感じたんです。
ラグビーとはこんなもの。みたいな雰囲気。
あんまり人気が出るとチケットも取り難いし、なんてねw

でも、そうじゃないよね。ラグビーって凄く面白い。
特に今のTLには、NZをはじめとした世界的な名手が大挙してやってきているし、ほんとレベル高いです。
秩父宮はおろか、国立を満員にするぐらいのインパクトだってもてるはずです。
じゃ、どうしてそうならないのか。
宣伝不足とか、いろいろ技術的な問題はあると思うけど、関係者はもっともっと「今のままじゃダメだ」という危機感を前面に押し出して欲しいですね。

ジャパンのメンバーだって、パシフィック・ネイションズカップで優勝するなど、着実に結果を出しつつある。
でもワールドカップで白星を掴み、そして夢の決勝トーナメント進出を果たすためには、いまの10倍、100倍は国民のサポートが必要でしょう。

もちろん、現場の危機感はあるとは思うけど。
でも、いま俺たちが勝利を手にしないと、もう日本のラグビーはダメになってしまうかもしれない、という焦燥感みたいなものは、正直あまり感じられない。
2019年のワールドカップ開催を迎えるまでに、企業スポーツがダメになってしまっては、TL自体の将来も保証されているわけではない。
本当のプロでない以上、国際試合で結果を残すことしか、ラグビーの将来を掴むことは出来ない…
勝てば、勝ちつづければ、ラグビーに背を向けている人々の関心も、少しずつ得ることが出来るはずですよ。
そういう気持ちも全て込めて、W杯に立ち向かって欲しいんです。
ロン毛にしたり、ヒゲを濃くする努力も良いけどさw

ドイツらを撃破した「なでしこ」のように、世界の強敵を大舞台で打ち破ってみろ。
もちろん、サッカーとラグビーは競技の性質が違いますよ。
だけど、「なでしこ」だって、誰がドイツに勝てると思った?しかも完全アウェーで。
私はムリだと思っていたよw でも、彼女らはやってのけた。

奇跡を起こすようなつもりでニュージーランドへ向かって欲しいですね。

3 件のコメント:

  1.  仰ること、本当に尤もなことです。そういう危機感を関係者で多少なりとも口にしたのを見たのは先日引退した大畑だけです。多分、TV出演などで他競技の人と接触する機会のあったことが影響しているのかと思いますが・・。

     そういう意味でも、崖っぷちでもなんでも良いから社会人ではなくプロリーグにならないとね->トップリーグ。

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  2. 影慶さん

    そうですよね。今度のワールドカップでどんな結果が出るかはまだ判りませんけど、いずれにせよTLという形態では、広いファンの支持を得ることは難しいと思います。
    今は大物外国人の獲得競争みたいなのが起こっていますけど、そんなのも何時まで続くのか...
    2019年を見据えて、ラグビー界自体が大きな決断を迫られるのはそんなに遠くないと思います。

    大畑などの若い世代が、どんどんアイデアを出して実行に移せるようなラグビー界なら良いんですけどね。
    それと、外部の血を入れていければベストだと思います。

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  3. 私もそうなんですが。
    自分の大学が勝てば良いと言う、大学ラグビー中心のラグビー界運営を見直さないとね。

    サッカーでも良し、バスケのbjリーグでもよし、集客出来るスポーツ及びチームに一度足を運ぶことが何故出来ないのかが不思議です。

    まだ8年もあると考えるのか。
    もう8年しかないと考えるのか。

    プライド捨てて、一から頑張って欲しいです。

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