日本語の学校 声に出して読む〈言葉の豊かさ〉(平凡社新書 463)
鴨下信一著
日本語の豊かさ・特長は、「声にした言葉」の中に詰まっている。日本人は、いかにして言葉に感情をのせ、人の心に伝えてきたのか。消えかかる“美質”に、日本を代表する演出家が光を当てる。
文章には、目で追って読んでいくだけではわからない〈味わい〉〈深み〉がある。
たとえば、漱石の『坊っちゃん』のユーモア。松山の学校に赴任した早々、ちょっと気負った坊っちゃんと生徒たちとの会話は、〈間〉の取り方一つで、どっと“笑い”が起こるような読み方ができる。また、向田邦子の「子供たちの夜」(『父の詫び状』所収)では、〈間〉の取り方によって、浮かんでくる情景が静かなものになったり、ざわついたものになったりしてくる。
日本語には、こうした〈間〉のほかにも、古典文学の読みには欠かせない〈調子〉や、言葉に秘められている〈音色〉など、日本人の暮らしに根ざした「声の文化」がある。
現代では、徐々に忘れられ、失われつつあるこうした「日本語の美質」を、演出家である著者が、いま一度、思い起こさせてくれる一冊。伝えていかなければならない日本の〈声の文化〉。
http://heibonshatoday.blogspot.com/2009/05/blog-post_18.html
2011年11月20日日曜日
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