2006年7月31日月曜日

ジェイソン・タイナー

ミネソタ・ツインズとデトロイト・タイガースが、ツインズの本拠地メトロドームで対戦。リードされていたツインズが終盤に入って逆転し、6対4で勝利を収めた。

それは良いのだが、今日はこの試合に出場していた、ツインズの外野手ジェイソン・タイナーの事を書いてみたい。
タイナーはもともと、2000年にニューヨーク・メッツでメジャーデビューを果たした選手だ。メジャーリーガーというと、腕っぷしの太い筋骨隆々なタイプが多いと思われがちだが、タイナーはまるで違うタイプの選手だった。あどけない童顔で、しかも体格は華奢。パワーはまるで無く、ホームランが全く打てない選手だった。だが、はつらつとしたプレーに甘いマスクも手伝ってか、子供や女性たちにはなかなか人気があった。

ある日、サブウェイ・シリーズの行われたヤンキースタジアムで、タイナーは三塁側に陣取ったメッツファン達のために、一生懸命ペンを走らせながらサインをしてやっていた。その光景を見て、あるちびっ子ファンが「ジェイソン!ジェイソン!」と、自分も彼のサインを欲しくてタイナーの名前を大声で呼んでいた。でも、その後の一言が良かった。「ジェイソン!ボクの名前もジェイソンだよ!」

大人が言えば「それがどうしたの?」で終わりなんだろうが、ジェイソンはその子供のあまりにあどけない一言に、思わず苦笑していた。その笑顔もまた、ファンをひきつける魅力があったと思う。

タイナーはその後、タンパベイ・デビルレイズへ移籍。さらにツインズへと所属球団を変えたが、あまり活躍の機会を得ていないようだった。しかし、今年はメジャーに昇格後、打撃の調子が良いようだ。それでも非力なのはいまだ解消されていないのか、初本塁打はまだ飛び出していない。
そしてタイナーの活躍を、あの時の子供だった「ジェイソン」はしっかり見届けているのだろうか。
 
2006年07月31日15:43

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2006年7月26日水曜日

夏のスポーツNo.1、ツール・ド・フランス

今年もツールの夏が終わった。最後のタイム・トライアルでの劇的な大逆転の結果、チームフォナックのフロイド・ランディスがマイヨ・ジョーヌを獲得し、自身初の総合優勝。2位には57秒差で、ケスデパーニュのオスカール・ペレイロが入った。
マイヨ・ヴェールはロビー・マキュアン、山岳王者マイヨ・ブラン・ア・ポア・ルージュはミカエル・ラスムッセンがそれぞれ受賞。

正直に言うと、ヤン・ウルリッヒが出場できなくなった時点で今年のツールに対する興味がかなり薄れてしまったのだが、実際にレースが始まってしまうとやっぱり面白い。そういえば、エリック・ザベルがポイント部門で2位に食い込んでいたな。この人も息が長い。

インデュラインの王座が長く続いた後、リースやウルリッヒ、パンターニが総合優勝して、その後またアームストロングの長期政権到来。それが終わった今、これからまた短期の戦国時代がしばらく続いて、その後に安定王者が出てくるんだろうか。
 
2006年07月26日15:37

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2006年7月23日日曜日

Centerか、Centreか

ニューヨーク・ヤンキースは現在、トロント・ブルージェイズと対戦しているが、ブルージェイズが本拠地球場としているのは、開閉式の屋根を持つロジャース・センター。

名前だけだと何のことだか分からないだろうが、以前の名称である「スカイドーム」なら、ご存知の方も多いことだろう。
ところでこのロジャースセンター、どういうスペルなのかというと、"Rogers Center" ではなく"Centre" である。

http://www.rogerscentre.com/

日本人はあるときから、イギリス式の英語ではなくアメリカ式の英語を学校で習った。従ってCenter、color、theater式の表記に慣れている。
しかしカナダは、アメリカ英語の影響を受けながらも母国であるイギリス式英語も堅持しており、センターの書き方はあくまでもCentreなのだ。

ところでセンターというのは、スポーツによく出てくる単語である。特にポジション名にこの名称がよく用いられるのだが、たとえばラグビーのバックスで、攻守の要となるのがセンター(CTB)。このラグビーが英国生まれのスポーツであることからしても、やはりCentreと書くのが自然であろう。
逆にバスケットボールのポジションであるセンターは、Centerと書く方が通りが良いと思われる。
2006年07月23日13:41

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2006年7月16日日曜日

情熱大陸

「情熱大陸」に、立川談志師匠が出演しているのを見たが、談志はサッカー日本代表選手の名前を殆ど知らなかった。というか、サッカーそのものを嫌いなようだった。

そこまでなら、まぁあの世代だからしょうがないね...と、番組を見た人は思うだろう。だが、家元の普通でないところは、実はNBAの大ファンであるということだ。
これは、番組では紹介していなかったけれど、書いているものを見ているだけでも、スティーブ・カーとかジェイソン・キッドとか、あるいはゲイリー・ペイトンなどという名前が普通に出てくる。どうしてバスケを見るようになったのか知らないが、たいしたものだ。
でも談志ファンにとっては、バスケなんて好き嫌いの次元ではなく、そもそも興味の対象でもないような気がするんだが...

だいたい、スポーツ(特に海外スポーツ)と落語、両方のファンなんて人は多分そんなにいないだろう。
新宿末広亭や上野の鈴本辺りに来ている客で、アラン・シアラーだのブレット・ファーブだの、あるいはジョニー・ウィルキンソンだのに興味があるという人は、あんまりいないはずだ。
知っているからえらい、などというわけでは全然ないけどね。
落語やお笑いのファンは、どっちかといえばプロレスK-1など、格闘技の好きな人が多い気がする。


2006年07月16日01:16

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2006年7月12日水曜日

ワールドカップの未来

2006年のワールドカップ・ドイツ大会も、イタリアの優勝という結末に終わった。フランスとのドラマティックなPK戦、それ以上に衝撃的なジダンの頭突きによる退場は、サッカーファンの胸に何時までも残ることだろう。

実際にドイツで大会を観戦された方たちから話を聞いたが、やはり大会運営、スタジアムの雰囲気など、近年にない素晴らしいワールドカップだったようだ。以前の日記で「本寸法のW杯」という表現を用いたが、あながち的外れな批評でも無かったようである。欧州で開催されるからよい大会になる、との保障はどこにも無いけれど、しかしドイツという国は、サッカーにおける伝統においても、また国民性においても、やはり超一級の開催国であったと思う。ドイツ代表自身も健闘を見せてベスト4に残り、大いに大会を盛り上げてくれた。

ただロッシやスキラッチのような、大会を通じて現れるスターは、残念ながら今回も出てこなかった。今後はワールドカップも勝負がますます優先され、試合自体がエキサイティングなものになるのは望めなくなりそうだ。

さて、大会が終わったばかりでいきなり次回大会のことを考えることも無いのだろうが、2010年のワールドカップは、南アフリカ共和国で行われる。ラグビーやクリケットなどで世界の強豪として知られる南アは、代表チームが「バファナ・バファナ」の愛称で知られるサッカーでも、確実に実績を残している。今回は本大会への出場を逃したものの、国内には大きなスタジアムもたくさんあり、開催の資格は十分だった。近年では、都市部の治安が悪化しており不安もあるが、大会中は威信をかけて警備を強化することだろう。

そして8年後の2014年大会は南米大陸、具体的にはブラジルでの開催が有力だ。サッカー王国として世界中にファンを持つブラジルだが、自国開催となると意外にも1950年以来、実に64年ぶりとなる。ヨーロッパでのワールドカップも楽しいが、ブラジルではこれまた、最高の雰囲気でのお祭りになることだろう。南米での開催も1978年以来となるので、アルゼンチンやウルグアイといった国の健闘も予想される。

続く2018年はまだ不透明だが、予想では欧州で再び開催されるのではないだろうか。各大陸での持ち回りを標榜している国際サッカー連盟だが、3回続けて欧州を離れた開催というのも、また考えにくいものがある。今のところ興味を示しているのはイングランド、ベルギー&オランダ共催、スペインというところか。共催には様々なハードルが考えられるのだが、ベルギーとオランダなら歴史的な経緯もあり、EURO2000でも実績を積んだので、それほどの違和感は無い。
イングランドも、2012年のロンドン五輪でスタジアムが整備される事もあり、なによりサッカー母国という特徴もある。スタジアムも既存のものを多く改修して使える利点がある。

他にもアジアから豪州、中国、北米からカナダあたりが開催に興味を示しているが、どうせアジアで開催するなら、今まで実績が無い中東での開催も見てみたい。イスラム圏でのワールドカップは、現状ではなかなか難しいと思われるものの、これはいずれ実現すべき課題であろう。

ということで、ワールドカップは今後も様々な問題を抱えながら、4年に一度開催されていく。今後も、サッカーファンのお楽しみは続くのだ。
 
2006年07月12日01:15

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2006年7月5日水曜日

米国サッカーの未来

今日(7月4日)はアメリカの独立記念日です。
1976年は建国200周年ですから、今年で合衆国が出来て、ちょうど230年という事になります。

今から12年前の1994年、アメリカはワールドカップを開催。そして7月4日に決勝トーナメント1回戦をブラジルと戦い、前半を0-0で折り返すなど健闘しながらも、76分に決勝ゴールを奪われ、そのまま0-1で敗れました。しかし、それまで「サッカー不毛の地」と言われていたアメリカが1次リーグを突破し、ブラジルともほぼ互角の勝負を演じて見せたことは、この国のサッカーにとっては非常に大きな出来事でした。

その後、メジャーリーグサッカー(MLS)が開幕し、女子サッカーもワールドカップや五輪で金メダルを獲得するなど黄金時代が到来。また2002年の日韓W杯では開催国・日本を上回るベスト8にまで進出し、準々決勝ではドイツとも白熱の名勝負を演じるなど、米国サッカーの発展はもはや疑いようのないものとなっています。

しかしそれでも、米国=サッカー不毛の地、というレッテルはなかなか剥がれることがありません。これはなぜでしょう。
一つはMLSが、それほど人気の高いプロリーグではないこと。そしてもう一つは、米国代表チームが日本や韓国代表のように、国民的人気を誇るナショナルチームではないことが挙げられるでしょう。今回のドイツW杯では、米国はチェコとガーナに敗れ、そしてイタリアとは死闘の末ドロー。1勝も出来ずに1次リーグで敗退しましたが、日本やイングランド、またブラジルのように、国内で厳しい批判に晒されるわけでもありません。彼らは良くも悪くも、アイドル的存在ではないのです。むしろ、ミア・ハムのようなスーパースターを擁していた女子代表の方が人気は高かった、と言えるでしょう。

しかしアメリカにはサッカーに限らず、そもそも「国際試合で盛り上がる」という習慣が根付いていません。というか、代表チームというものの存在があまり見えてこないのです。サッカーのブラジル代表や、ニュージーランドのラグビー代表「オールブラックス」のような、その国のスポーツ文化を代表するようなナショナルチームは、アメリカにはどの競技にもありません。国際試合よりも国内のリーグ戦、もっと言えば地元の州内対決の方がはるかに盛り上がります。
海外への人気で言えば、メジャーリーグやNBA、NFLのような本質的には国内のリーグ戦が、海外への知名度、アピール度はずっと高いです。

そして米国代表には、アーチライバルがいません。
ブラジルにはアルゼンチンがおり、イングランドにはドイツがいる。オールブラックスには豪州代表「ワラビーズ」がいます。だがアメリカのスポーツチームには、これと言った宿敵が見当たらないのです。サッカーでは米国の直接のライバルはメキシコですが、しかしこれが米国スポーツにとってビッグイベントになることは考えにくいでしょう。

五輪も昔ほど盛り上がらなくなったのは、米国の宿敵だったソ連が消滅してしたことが原因の一つではないでしょうか。アイスホッケーの強豪であるカナダ代表は、やはりソ連と宿命のライバルであり、今もロシアといい関係を保っているといえますが、これは米国にはそのまま当てはまりませんでしたね。

...というのが従来の考え方でしたが、今回のドイツW杯では、少しずつ変化が見えてきたように思います。米国代表だけではなく、ワールドカップ全体に対する関心が米国内でも徐々に高まっているように感じました。スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレーテッド」でも、米国代表のメンバーが表紙を飾りました。またNYのタイムズスクエアでも、アメリカの試合で熱心な応援を送るファンの姿が見えました。この世界一のスポーツ大国が、サッカーの桧舞台の中心に躍り出る日は、実はそう遠くないと思うのですが、さてどうなるでしょうか。

 
2006年07月05日04:00

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2006年7月2日日曜日

ブラジル、イングランド敗れる

さきほどまでUDチャットでワールドカップ準々決勝を観戦していたのだが、優勝候補筆頭のブラジルがフランスに0-1で完敗。それに先駆けて行われたイングランド対ポルトガル戦は両チーム共に得点無くPK戦になったが、ポルトガルが勝ち上がることになった。

勝負自体は熱戦だったので満足がいくものだったが、ワールドカップを代表する人気チームである両国の敗退は、なにか非常に寂しい気がする。

イングランドの場合は、ベッカム、ランパード、ジェラードといった主力が今大会調子が悪く、これまでの試合でも苦戦を強いられていたので、ポルトガル相手でも厳しい試合になるだろうと思っていた。実際に試合が始まってみると、ただでさえ手薄なFW陣なのに加えて、頼みのルーニーが一発レッドで退場を食らってしまうという、予想外の窮地に追い込まれてしまう。さらに主将のベッカムも不本意な形での途中交代と、スコア以上に戦わずして敗れた、という印象が強い。
途中で投入されたレノン、クラウチはなかなか良いプレーをしていたが、ポルトガルから得点を奪うことは出来なかった。イングランドは伝統的にPK戦が苦手であり、最後の結末は英国民もある程度予想できたのではないだろうか。もっと言えば、経験の薄いウォルコットを起用し、実際には使わず、そしてオーウェンが大会を去った時点で、イングランドは優勝を逃す運命にもあったと言える。

そしてブラジル。これまでもワールドカップでは、ブラジルはフランス相手に痛恨の敗戦を何度と無く喫している。1986年のメキシコ大会で行われた、有名な「グアダラハラの戦い」ではPK戦の末敗れ、今回同様ベスト8で姿を消している。そして98年フランス大会の決勝でも、予想に反して0-3の大敗を喫した。
今日の試合は前半0-0で折り返すも、後半12分にジダンのFKに飛び込んだアンリが押し込み、先制ゴールを奪われてしまう。リードを許したブラジルは、以後の30分以上必死の反撃を見せるも、フランスはGKバルテスを中心とした必死の守備でゴールを守りきり、軍配はまたしてもフランスに上がった。

ブラジルはこれまでも、欧州開催のワールドカップで優勝候補と呼ばれながら勝てなかったことが多く、今回も結局優勝までは手が届かないのではないか、という予想をしていたのも確かだが、まさかベスト8で消えるとは、正直全くの予想外だった。今回ばかりは仇敵フランスを撃破すると思っていただけに、ショックも大きいだろう。

ブラジル、アルゼンチン、そしてイングランド...サッカー界のビッグパワーが次々と姿を消し、ベスト4には開催国ドイツ、イタリア、ポルトガル、そしてフランスとヨーロッパ勢がずらり出揃った。ここから決勝に進むのはどの国だろうか。
 
2006年07月02日06:42

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My Winding Path to English Mastery