2006年10月18日水曜日

オウオウオウオウ オー・シャンゼリゼ

阪神タイガースの球団歌、俗に言う「六甲颪(おろし)」。
日本のファイトソングの中でも、もっとも有名な曲だと思われるが、この歌のサビの部分はなんと歌うか。

♪オウオウ オウオウ 阪神タイガース

である。
たまに「ウォウ!ウォウ!ウォウォウ!」と、虎の雄たけびのごとく歌う人もたまにいるが、これは決して正しいとは言えない。
では「オウオウ」とは何か。
タイガースの球団名称はもともと「大阪タイガース(大阪野球倶楽部)」であり、この部分の歌詞も

♪オウオウ オウオウ 大阪タイガース

と歌ったという。だとすれば、「オウ」は大阪のイニシャル「O」の意味である、とするのがもっとも自然に思える。「ウィキペディア」にもそういう趣旨の記述があるし、私自身も長年、そう思い込んでいた。
昔の写真を見ていると、タイガースのキャップのロゴは「OT」の組み合わせであったりするから、この説はいっそう信憑性を増してくる。

ただ、阪神タイガースに関するファンサイトなどを見ていると、この説は必ずしも根拠のあるものではない、という意見の方もいる。多くの野球ファンが信じているだけで、作詞者がそういう認識で歌詞を書いた、という確証は取れないらしいのだ。意味がはっきりしない以上、「ウォウウォウ」と同様に「オウオウ」は掛け声、勝利の雄たけびである、という可能性も一概には否定できない事になる。ただし、この場合は虎の咆哮ではなく、人の叫び声ではあるが...

それに「オウ」が大阪の意味ならば、今は阪神が球団名なのだから、歌詞も

♪ハ~ンハ~ン ハンハ~ン 阪神タイガース

と艶っぽいフレーズに変える必要がある。これだと意気が上がるどころの騒ぎではあるまい。
いずれにせよ、球団名はもう「大阪」ではないのだから、由来はともあれ、現行では「オウ」は雄たけび、勝ちどきのオウである、とするのが一番分かりやすいと思う。

ところで皆さんは『オー・シャンゼリゼ』という曲をご存知か。ダニエル・ビダルなどが歌ってヒットした、懐かしいフレンチポップスの名曲だが、これも多くの日本人は「オー!シャンゼリゼ」と歌っていたように思う。しかしこれは、フランス語で書くと

Aux Champs Elysées

となる。
だから歌詞から見ると「シャンゼリゼには」、あるいは「シャンゼリゼでは」という意味であり、感嘆の「おぉ」では無かったそうなのだ。
昔、浦和レッズに望月という選手がいて、レッズサポはこの曲のメロディで「オー、望月~」と歌った。つまり「おお」の意味として歌っていたことになる。
でも原詩と意味が違うから、あるいは取り違えていたからといっても、それが必ず悪い、って事ではないだろう。それはそれで文化として取り込まれているのだから...「スキヤキソング」だって酷い題名だけど、タイトル自体が印象に残って、多くの人々の胸にも刻まれたと思うのである。
 
2006年10月18日07:03

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